
松本市寿北6の矢口地平さん(74)は、自身が作詞した全2曲を収めたCD「我さすらい人は美しく才(とし)を重ねる」を発売した。新型コロナウイルス感染を経験して創作した歌詞には、「生きることへの希望」が詰まっている。
収録曲は「我さすらい人は」と「おくれてきた恋」。いずれも作詞は矢口さん、作曲は同市でライブハウスを経営する新美正城さん(34)さんが担当。ボーカルや楽器演奏は知人が協力し、バンド名を「黄金色の宝石箱」とした。
「我さすらい人は」は、「ビーチボーイズ風に」という矢口さんの要望通り、爽やかな仕上がり。「ある日突然命を失いかけて」「感謝の思いを胸に刻み」「今日を明日を未来を歩いていきたい」などの歌詞に、命の大切さを訴えながら、「希望にあふれた人生を送ろう」という多くの人を応援する気持ちが込められている。
矢口さんは一昨年1月、新型コロナに感染した。一時は意識を失うほどの重症になり、1カ月以上入院したが、無事回復した。
この時の医師や看護師への感謝の気持ちを、若い頃からの趣味だった作詞を通じて、楽曲で表現した。
昨年4月までサラリーマンとして働いていた矢口さんは、退職を機に、自身の作品を形に残したいという思いもあった。「念願がかなった。今の時代に必要な前向きな曲になったのでは」
価格は1320円。ライオン堂高宮店(高宮東)、マーキングレコード(中央3)、平安堂あづみ野店(安曇野市豊科南穂高)で扱っている。