【四季彩200回特集】早朝の光芒の中に現れた「黄金龍」

八ケ岳連峰の上に現れた「龍神」をかたどる黄金色の雲が、幽玄神秘な雰囲気を際立てる=ニコンD5、ニコンED VR-ニッコール80~400ミリ、1月9日

大自然がくれた35秒のステージ

ダイヤモンドダストの撮影で訪れた厳寒の霧ケ峰高原。1月9日早朝、八ケ岳連峰の後方から立ち上る光芒(こうぼう)の中に、ひときわ明るく輝く「黄金龍」をかたどる龍神雲に出合った。
新年早々、神々しい幸運の撮影に胸が高鳴った。黄金龍が現れたのは、硫黄岳(2760メートル)の上空。次第に明るさを増す光芒の中に見え隠れする小さな雲に、目を奪われた。硫黄岳の上の黄金色に染まった雲の、形の変幻が激しい。右方向へ伸びている。長年の撮影経験から「もしかしたら…」と期待感が膨らみ、脳裏に予感が走る。トカゲ、ワニ…。それもつかの間。角が現れ、リアルな姿に変身。「黄金龍だ!」。カメラの連写音が響く。撮影データから割り出すと、雄大な“光芒のステージ”での「黄金龍」の出演時間は、わずか35秒だった。
気象条件が満たされずダイヤモンドダストの撮影はできなかったが「黄金龍」との出合いは、大自然からの幸運のお年玉だった。
(丸山祥司)

【四季彩に登場した龍神雲】
MGプレスの前身、松本平タウン情報2004年12月22日付「暁の空にカノープス」から始まった「四季彩」が、今回で200回目になる。四季折々、昼夜を問わず大自然が見せる24時の素顔に向かい合い撮影してきた。中でも龍をかたどる幽玄神秘な雰囲気を漂わせた吉兆の「龍神雲」との出合いは、撮影意欲を奮い立たせ、生きる力をもらってきた。
龍神にまつわる話題は、今回で10回目。その中からパワーが伝わる4点を3月25日紙面で紹介した。