
松本市の声楽家・狭(はざ)間壮(またけし)さん(79)のコンサート「春・ひばり鳴け!」が11日午後2時、カフェ「Cafeポリジ」(双葉)で開かれる。知的障がいのある人たちが働く同カフェの“応援団長”を自称する狭間さんは、「今こそこのカフェから平和と人権の大切さを発信したい」と思いを込める。
狭間さんは33歳で交通事故に遭い、下半身が不自由になってから、平和と人権をテーマに演奏活動をしてきた。ウクライナでの戦争を受けて同国の民謡「キエフの鳥の歌」や、第2次世界大戦で出征した夫の帰りを待つ妻の気持ちを詞にしたロシア歌曲「足音」など9曲を、背景を解説しながら歌う。伴奏は妻でピアニストのはざまゆかさん(58)。
麦畑が広がるウクライナ。春の鳥ヒバリは麦畑に巣を作るという。平和の象徴としてヒバリに鳴いてほしいと、コンサートタイトルを決めた。狭間さんが小学2年生の時に全校生徒の前で歌った「雲雀(ひばり)」(三木露風作詞、山田耕筰作曲)も披露する。
会場のカフェは2016年から、近くの障がい者就労支援施設「希望の家」が運営。店を知ってもらうきっかけにと、これまでさまざまなコンサートを企画し、狭間さんも度々開いてきた。
「障がい者を含めて人権が守られるのは、平和だからこそ。カフェがより多くの人に愛され、交流の場になってほしい」と狭間さん。
入場料千円(茶菓子付き)。定員30人で事前の申し込みが必要。CafeポリジTEL0263・26・0066