【ビジネスの明日】#47 Happiness共同代表・ワールドヘルス社長 南山良さん

「エステで得られる美しさと、体の健康。この二つがないと本当の『美』はない」。こう語るのはエステサロン運営などのHappiness(ハピネス)(松本市村井町北)共同代表で、健康事業関連のワールドヘルス(同)社長、南山良さん(47)だ。この2法人の両立に注力する。
2002年の自身のエステサロンの開業以降、順調に業績を伸ばしてきたが、19年からはコロナ禍で大打撃を受けた。特に21年は、売り上げがコロナ前の75%まで落ち込み、「経営者になって初めての経験。一番厳しかった」と振り返る。
こうした状況から脱却するために力を入れたのが、「顔の上半分のケア」。マスク生活が常識となり、これまで以上に目の周りに注目が集まるようになったことから、実績のあった「まつげケア」に加え、「眉毛ケア」や整形とは違う目を二重にする施術などを提案した。
売り上げは、コロナ前までには戻っていないというが、「徐々に回復してきた」と表情は明るい。
一方、18年から取り組み始めた健康事業。目玉にしたのが全国のフィットネスインストラクターとオンラインで結び、エステサロンにいながら、パーソナルに近い状態でレッスンを受けられる「オンライン・フィットネス」。そのノウハウを全国のエステサロンに広めようとした。
「美しさと健康」を両立させるために始めた事業で、当時、「オンライン」に目を付けたのは、「結果的に先見の明だった」が、売り込み先のエステサロンが「コロナ禍でそれどころじゃなかった」。
しかし、企業内で社員の健康の重要度が高まる中、エステサロン以外で、システムに興味を持つところは多く、「価格面などシステムを改善しながら、ニーズに応えていきたい」と今後に期待する。

高校3年時に休学し、ニュージーランドに留学。1年以上たって帰国し、主に教材を扱う出版社に就職し、営業を担当した。
結婚を機に退職。再び仕事を始める際に、「前職の経験を生かし、塾経営も考えた」が、物心ついたころから興味のあった「美容の世界」を選択。子育てをしながら、ほぼ独学で学び、02年に自店を開業した。
現在、2法人で働いている9人は全員女性で、雇用形態もその人の希望に合わせてさまざま。「働く女性を応援したい。人材を育てることにも力を入れ、店舗展開を考えたい」と先を見据えた。

【プロフィル】
みなみやま・りょう 1975年、塩尻市出身。2002年、松本市村井町南に創業店開業。16年、Happinessを設立し、共同代表就任。21年、ワールドヘルスを設立し、社長就任。同市寿中在住。