ダムダムダム…。松本市島内の島内体育館から響く、バスケットボールをつく音。楽しそうな笑い声も聞こえてくる。
同市を拠点とする社会人女子バスケットボールチーム「松本クラブ」は、今年創立40周年を迎えた。創設者、創設当初のメンバーから現役メンバーまで約60人が集まり、3月に40周年を祝った。
同クラブには、中信地区の女性を中心に20~60代が所属する。親子での所属も多い。
創設者五味富士さん(78、寿北)も75歳までチームに所属した。「40年続いたことを誇りに思う。みんな楽しそうにバスケをしていてうれしい」と話す。
最年少は安曇野市出身で、長野市の大学に通う双子の宮澤優香さん(20)と陽香さん(同)。世代を超えて、バスケのバトンをつないでいく。
20~65歳が所属親子でも楽しむ
40周年を迎えた、社会人女子バスケットボールチーム「松本クラブ」。松本市の島内体育館で開いた記念式典では、全員参加のフリースロー大会や親子対抗の試合などが行われ、参加者全員がバスケットを楽しんでいた。
現在、同クラブに所属する20~65歳のメンバーは、50歳未満の「ルピナス」、50歳以上の「イエロービークス」に分かれる。今月から40歳未満のチームを作り、リーグ戦や各種大会に参加する予定だ。
創設当初は、「ママさんバスケ」という枠組みからスタートしたが、結婚やママに限らず年齢で分ける編成に変わった。中信地区では一番古く、「40年続くチームは県内でも少ないのでは」と五味富士さん。
これまで全国大会に幾度も出場し、各地を巡った。試合だけでなく、その土地も楽しめる。「試合後の一杯が最高だった」とメンバーは笑う。
親子の所属も多く、事務局の古澤陸代さん(60)と娘の実花子さん(26)もその一組。実花子さんは、母がバスケをする姿を「かっこいい」と思い、小1からバスケを始めた。一緒のチームでやることは「恥ずかしさもあったが、母の楽しそうな顔を見られるし、大好きなバスケを一緒にできること自体がうれしい」と話す。
富士さんによると、当初のチーム名は「アヒル」。始めたばかりでよちよち歩きの意味で名付けた。自身は中学でバレー部だった。授業で初めてやったバスケの魅力に引かれ、高校からバスケを始めた。インターハイに2回出場。3年生でキャプテンも務めた。
1982年、ママさんバスケの存在を雑誌で知ると、1カ月後にはチームを作っていた。創設当初のメンバーは3人。バスケ部顧問として約30年教えてきた高校教員の夫、秀彦さん(83)のサポートで、教え子らに声をかけ、人を集めた。
富士さんは、75歳まで同チームで汗を流し、3年前に引退した。「今では初期メンバーの子ども世代が加入している。ますます発展してほしい」。秀彦さんは県バスケットボール協会に長年所属。「バスケットを盛んにするには」と考えてきた。「子どもや夫、家族を巻き込んで楽しくバスケをすることは、地域社会の発展にも力を発揮している」
事務局の陸代さんは「バスケをやってきて心から良かったと思える。競技人口が減ってきているが、みんなが続けられる環境をつくっていきたい」。