不登校考える講演会

自身の子どもが不登校だった経験を基に、松本市内の中間教室や支援・相談先などの情報を発信するウェブサイト「こころのかけはし」を運営する中澤瑞穂さん(40)らが3月30日、講演会「学校に行かなくても自分らしい生き方を見つける」を市松南地区公民館で開いた。不登校児の保護者や教育関係者ら約40人が聞いた。

「周囲を頼って」訴え

中澤さんは、長男が小中学生時代に不登校になった経緯や復帰のステップ、その間に長男とどう向き合ったかなどを話した。「その時々の悩みやつらさは、決して無駄ではない。自分で抱え込まず、周囲を頼り、巻き込んで」と呼びかけた。
県教育長や市教育委員長を務めた斉藤金司さん(82)は、人間性にまで及ぶ過度な評価や、管理にさらされる学校生活に適応できない子が出てくるのは当然とし、「そのために、子どもたちの間で分断や差別が生じているのが、一番の問題」と指摘した。
子どもの支援・相談スペース「はぐルッポ」(浅間温泉1)の西森尚己代表は、同所で子どもたちと接した経験や、寄せられた相談事例などを基に、不登校の子の親がすべきことを提言。「子どもの現状を丸ごと認め、信じて待つことで、子どもは自分の力で変わっていく」とした。
聴講した同市の30代女性は「まざまな立場や角度からの話が聞けて良かった。気持ちも楽になった」。中澤さんは「ウェブでの発信にとどまらず、今後も対面の催しを開き、情報を求めている人に適切に届けたい」とした。