
「平和であってほしい。来館者にぜひ見てもらいたい」
松本市美術館友の会顧問で画家の中村石浄さん(85、岡田下岡田)は3月29日、自作の絵画「少年立つ」を同市に寄付した。50号のアクリル画だ。
描くきっかけは、米軍の従軍カメラマン、故ジョー・オダネルさんが1945年、長崎で原爆が投下された後に撮影した「焼き場に立つ少年」を、昨春見たことだ。
亡くなった弟を背負い、歯を食いしばって火葬の順番を待つ少年を写したモノクロ写真に心を揺さぶられた。平和への思いとともに「日本の男のたくましさとりりしさ」を描きたくなったという。
絵にはかつて養蚕で使った網を貼り付け、色は想像してつけた。市中央図書館の平和資料コーナー近くの階段の壁に展示される。