飲食店「ベジサポ」再開へ CFで資金募る

野菜をふんだんに使った料理を提供する飲食店「ベジサポ」が6月、松本市美須々の市総合体育館2階に開店する。昨年3月、大手2の店舗がビル火災に遭い営業を休止していたが、客からの励ましを受けて再出発。クラウドファンディング(CF)で資金を募りながら準備を進めている。
同店は小学生の頃から飲食店を開くのが夢だった店主の丸山留実さん(30)が2020年、同市元町2で開業し、21年、大手2のテナントビルに移転した。火災はその8カ月後、ビルの上階で発生。消火剤を含んだ大量の水が店舗を浸し、調理器具や食器、食材などが全て使えなくなった。
コロナ禍を耐え、売り上げが上昇してきた矢先だったが、ビルから立ち退くしかなかった。年子の子育てをしながら店に立ってきた丸山さん。長女(4)が店の跡地を見て泣き出してしまった時は、特に切なかったという。
火事直後から客の励ましの声が多く寄せられ、この1年間は「前を向いて進まなくては」と、鶏調理への理解を深めるため狩猟免許を取得したり、夫が経営する飲食店を手伝ったりしながら新店舗となる物件を探した。候補となった市体育館は丸山さんの母校の近く。3年間眺めていた愛着のある場所で再スタートを決めた。
店のコンセプト「野菜で健康を支える“ベジタブルサポート”」にもぴったりな場所で、ヘルシー料理やアスリート向けのメニューを充実させる。
丸山さんは「皆さんの好意をはじめ、とても大切なものが見えた1年間だった。パワーアップしたベジサポをお届けしたい」と話す。
CFは「キャンプファイヤー」 = サイト=から。1口3千~30万円で、300万円を目標に5月末まで。オリジナルTシャツや食事券などを返礼品にする。