
安曇野市の水彩画家、大日野翠さん(64、穂高有明)は18日まで、カフェ&ギャラリーひつじ屋(穂高)で、エンブロイダリー(刺しゅう)アーティストの田島れにさん(山梨県北杜市)と作品展「れにの庭」を開いている。ガーデナーでもある田島さんの庭を描いた、大日野さんの水彩画6点と、田島さんの刺しゅうアート18点が並ぶ。
大日野さんは1987年、英語を学ぼうと渡英。現地で田島さんと出会った。田島さんは当時、絵画的な刺しゅうを学んでいたが、同国の庭にも魅せられ、刺しゅうのテーマにすることが多かった。
帰国した田島さんは東京都狛江市の実家の庭を英国風に造り直した。アイダモやシダレザクラを植え、小道を造り、ツルバラを絡ませた。白、淡いピンク、薄紫など色にこだわって花を育て、友人たちとお茶を飲み、その雰囲気を楽しんだ。
そんな友人の1人が、帰国していた大日野さん。その後、2人は別々の場所に移住し、狛江市の庭はなくなってしまった。「何とかあの思い出を互いの作品にして展示したいと思った」と大日野さんは今展の動機を話す。
大日野さんの作品は、「爽風」「れにの庭」など庭そのものの絵や、訪れた鳥を描いた「カップル」など。田島さんの作品は、布に絵を描くように刺しゅうを施し、「最後に空気感を出すため、全体に漂うような細い曲線を入れた」という作品が大半。「喜びの木陰」などが並ぶ。
午前10時~午後5時(18日は4時)。ひつじ屋TEL0263・82・3888