「かおすの会」発足70年詩誌160号継続に意欲

松本平を中心に県内外の現代詩愛好家でつくる「かおすの会」が今年、発足70年を迎えた。年3回発行する詩誌「かおす」は4月分で160号に到達。今のところ記念号などの予定はないが、関係者は「今後も発行を続けたい」としている。
会は1953(昭和28)年、信州大教育学部在学中の柳沢さつきさん(安曇野市穂高柏原)ら3人で結成。詩誌は当初、年1回の発行だったが、会員が増えたため85年から年3回に増やした。誌名は混沌(こんとん)という意味のギリシャ語「chaos(カオス)]から。現在は20人が所属し、昨年主宰を退いた柳沢さんに代わり、内川美徳さん(89、安曇野市明科七貴)が主宰として運営を担う。
内川さんは「社会の動きを見つめながら詩を書き、励まし合いながら続けてきた。会員の年齢が上がっており、若い人の参加を呼びかけたい」と話す。
160号には、子どものころの思い出を題材にした柳沢さんの物語詩「道草」、高校時代の試験前夜を描いた細野麗さん(松本市里山辺)の「テストは絶対落とさない」など、日常生活で心に響いた情景や思いをつづった15人の作品を掲載。丸山隆さん(同市南原1)が農業形態の一つ「炭素農業」について述べた「カーボンファーミング」と題したエッセーもある。
A5判、43ページ。残部が若干あり、希望者に進呈する。