
県内でも珍しいメダカの育成・販売を作業プログラムに取り入れる就労継続支援B型事業所「ワークスペースリーノ」が6月1日、松本市松原に開所する。障がいがある人が、生き物の管理や接客販売などの活動を通して社会的スキルを身に付け、一般就労につなげる場を目指す。開所前に見学体験会も開いている。
塩尻市で児童向けの多機能型通所支援事業所「リーノ」(広丘吉田)を運営する「オープンハート」(宗賀、梅内峰宏代表)が新規事業として立ち上げた。
長年、児童福祉の現場で働いてきた梅内代表が「大人になって社会に出るまでの居場所や、働く場といった継続的な支援、就労支援をしたい」と模索。メダカの育成や接客販売を福祉事業に取り入れた東京・八王子市の「あやめ会」の理念に共感し、同社から学び、商品やプログラムを取り入れた。
事業所は店舗も兼ね、60センチと30センチのガラス水槽六つに、希少種も含むメダカ10種以上を飼う。メダカや水草の繁殖もし、利用者は一人一つの水槽を担当。その販売戦略も一緒に考えるなど、利用者が経済活動に加わるのが大きな特徴だ。
また、生き物に癒やされるセラピー効果や、毎日通って世話をする責任感の醸成なども期待。接客販売など人と接する経験で自信を付け、地域社会との交流も目指す。
梅内代表は「利用者さんが来たくなる、居心地の良い場所にしたい。じっくりと課題に向き合い、試行錯誤しながらやりたいことを見つけ、一般就労する力を身に付けてほしい」と話す。
対象は主に精神や発達に障がいのある18歳以上で、定員20人。見学体験会は13、16、18、20、22、24日の各日5組、他の日時も対応する。問い合わせはTEL0263・31・6892