三代澤本寿さん型絵染展

信州の民芸運動に力を注いだ松本市出身の型絵染作家・三代澤本寿(もとじゅ)さん(1909~2002年)の作品展が18~21日、市美術館(中央4)市民ギャラリーで開かれる。昨年までコロナ禍で中止しており、4年ぶり5回目の開催。スペインのキリスト教徒モサラベをモチーフに描いた屏風(びょうぶ)がメインとなる。三代澤さんの作品を顕彰する団体「m.motoju会」の主催。
モサラベは、イスラム教徒からの迫害を受けながらも自らの信仰を守り抜いたとされる。それをテーマにした屏風は3点。1983年制作の「モサラベ」は186・5センチ×164センチの大きさで、その魂の歌をモノトーンで表現したという。色鮮やかな「モサラベ多色」、赤と黒で表現した「赤黒モサラベ」もある。
ほかにパネルや染め絵の額装、のれん、飾り布など計50点ほどを展示する。
三代澤さんは62歳の時に行ったシルクロードの都市の取材旅行を手始めに中近東、北米、南米、東南アジアへの旅を重ね、主に世界の文明発祥地の美を求め続けた。モサラベの屏風はその中から生まれた作品の一部だ。
m.motoju会会長の三代澤保水さん(75、埋橋2)は「三代澤(本寿)は60歳を過ぎてから海外を旅して歩き、それを基に多くの作品を創り上げた。屏風は1年に一つしか作っていない。多種多様な作品を多くの人に見てもらいたい」と話している。
午前9時~午後5時(最終日は4時)。無料。