
夢を現実にし世界中を笑顔に
「Love the Earth!」
人類80億人が、地球を囲むように仲良く手をつなぐことができたら―。そんな思いから発泡スチロールで作った地球を抱え、全国を飛び回っている人たちがいる。「地球夢神輿(みこし) 知友夢(ちゆめ)」を作る仲間「ちゆメン(ちゆめのメンバー)」は、松本市と東京を拠点に活動する島田淳之介さん(32)と藤田めぐみさん(35)、神奈川県横須賀市の鈴木彩花さん(31)の3人だ。
活動開始は2021年。島田さんが見た「夢」がきっかけという。多くの人の夢を書いた折り鶴で、文字や絵を描く「夢の鳥プロジェクト」も手がける。「知友夢」が完成したらリヤカーに載せ、日本中、世界中を回るつもりだ。そもそも島田さんが見た夢とは―?
仲良く手を取り地球囲む人の姿
直径90センチの発砲スチロール製の地球「知友夢(ちゆめ)」。内側には、黄色やオレンジなどの絵の具で手形がびっしり付けられている。4月22日には、安曇野市穂高の古民家「ほしのむら」で開いたイベント「はるかぜイチバ」に登場した。
手のひらに絵の具を塗って、島田淳之介さんと「Love the Earth」と言いながら、内側に手形を押す。地球のマグマを表しているといい、これまで300人以上のマグマが集まった。
2021年9月、島田さんが見た夢は印象的だった。夢の中で「これは夢だ」と自覚している明晰夢(めいせきむ)。宇宙から地球を見ていて、その美しさに感動した。赤道辺りに線が見える。目を凝らすと、手をつないで地球を囲んでいる全人類の姿だった。「Love the Earth」の声も聞こえた。目が覚めて号泣した。
この夢をみんなで体現したいと始めたのが「地球夢神輿知友夢」の活動だ。発泡スチロールで作った地球をあちこちに運び、マグマを増やす。「知友夢」のメンバー「ちゆメン」は島田さん、パートナーの藤田めぐみさん、鈴木彩花さんの3人。
島田さんは、私塾「夢宙(むちゅう)塾」を運営する「Dream Education」の社長。夢銀行総裁、共育王を名乗る。藤田さんは料理の提供、ケーキの販売などを手がける「繋(つな)ギフト」の代表。鈴木さんは画家だ。
人々の願い乗せ日本から世界へ
まだ未完成の直径90センチの地球は、どうやって作っているのか―。サイズに合わせた地球の展開図を特注して貼り付け、カーボン紙でなぞり、世界地図を見ながら陸地を描いた。ここまで3、4カ月かかったという。今後は、鈴木さんが雲など手を加え、年内の完成を目指す。
同時に進める「夢の鳥プロジェクト」は、夢を集める活動。夢を文字で書いてもらった折り紙で鶴を折り、それで絵や文字に仕上げる。「ドリームアート」と呼び、最後は燃やして(お焚(た)き上げ)、夢を天に届ける。
元気いっぱい、夢いっぱいの活動だが、心が折れそうになることもある。「発泡スチロールの球体が7万円など、これまでに50万円以上の出費があった。作業が進まず、完成が遅れている」と島田さん。メンバーのエネルギーになっているのは、行く先々で出会う人々とその笑顔だ。
「知友夢」が完成したら、リヤカーに載せて地球夢神輿に仕立て、夢を集めながら日本中、世界中を回るのが目標。多くの人で「知友夢」を囲んで手をつなぐ祭りを開き、自身が見た夢を実現させ続ける。島田さんは「暗いニュースが多いが、『知友夢』からハッピーニュースを発信したい。世界中を笑顔にしたい」と語った。
問い合わせはメール(shimadajunnosuke@me.com)で。