素朴な疑問や課題お任せ 塩尻市立図書館初の「認定司書」2人

頼れる司書と一緒に問題解決

素朴な疑問や課題は、司書に相談して―。塩尻市立図書館の司書、大深めぐみさん(46、塩尻市)と青山志織さん(38、松本市)が、日本図書館協会の第13期「認定司書」に決まった。任期は今年4月から10年間。13期9人を含めて全国で166人が活動中で、同図書館では初となる。
認定司書は図書館の現場で専門性を発揮し、市民を対象とした図書館サービスの最前線での活躍を期待される。2人は、司書の実務経験の評価を受け、論文審査を経て認められた。
同図書館は、「課題を解決する場所」としてサービス充実や講座開催など、先進的な取り組みをしている。2人の論文も、地域や個人の課題解決がテーマだった。

図書館の役割はテーマ決め論文

大深めぐみさんは茨城県出身。結婚を機に2007年から塩尻市で働く。論文は、長野県内の公共図書館にアンケートを行い、「医療健康情報サービス」についてまとめた。
青山志織さんは松本市出身。論文は、13年から塩尻市で働く中で関わってきた「図書館と地元書店の連携」と「図書館と学校の連携」の二つを提出。2人ともこれまでの司書業務の中で直面した課題を取り上げている。
大深さんは昨年度、同図書館で開いた医療講座「みんなのがん教室」を担当し、「医療知識のない司書が、どうやって医療健康情報の選書をするか」考えてきた。病気の症状について専門家が書いた本を紹介するだけでなく、病気の時のお金や仕事、生活の心配事に関する本も紹介することで、公共図書館ならではの多角的な視点からの情報提供が「不安な気持ちを和らげる手助けになるのでは」と思うようになった。
一方、青山さんには小学生の頃、「小説のあとがきに一言だけ載っていた本が読みたい」と、当時通っていた図書館の司書に相談し、県外の図書館から取り寄せてもらった思い出がある。子どもの素朴な疑問に真摯(しんし)に耳を傾ける司書を志した原点で、学校連携や児童選書業務でも心がけている。
先日、幼児の母親から「子どもがなぜかブロッコリーが好きなんです」とブロッコリーが出てくる本を探す相談を受けた。絵本の主役になることがあまりない脇役の野菜だが、登場する本を見つけるととても喜んでもらえたという。「図書館はなんでも気軽に相談できる場ということを知ってほしい」と話す。

学び続ける意欲図書館の信頼に

上條史生館長は、「通常業務を精力的にこなしながら、常に学び続ける2人の意欲が認定につながった。専門性の高さが客観的に評価され、市民の皆さんの図書館全体への信頼にもつながるはず」と激励。時代と共に変化する図書館サービスを担う、司書の力に期待している。
塩尻市立図書館本館には現在、35人の司書が在籍している。「司書たちは、本を探す専門職。忙しく業務を行う中でも、皆さんのもやもやした疑問や課題が持ち込まれるのを、実は待っているんです」と大深さん。どんな疑問や悩みにも一緒に立ち向かってくれる、町の図書館にはそんな頼もしい司書がいる。

【日本図書館協会の認定司書とは】 図書館での実務経験や実践的知識・技能を継続的に習得した人を評価する制度。専門性を発揮し、地域の図書館活動をリードする活動が期待される。2010年に始まり、13期まで累計211人。公共図書館での司書業務が10年以上、研修受講や社会的活動への参加、著作・論文―等によって審査される。期間は認定年度の4月1日から10年間。