医師が直接指導するパーソナルジム「メッドサイスポーツラボ」オープン

「運動こそ良薬」地域を健康に

予防医学と運動生理学専門の医師が、健康づくりを直接指導するパーソナルジム「メッドサイスポーツラボ」が、松本市本庄2に今春オープンした。
「何にでも効く薬は運動」と話すのは、代表の内田晃司さん(44)。医師・医学博士で、日本医師会認定健康スポーツ医、NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストなどの肩書を持つ。健康のエキスパートとして、効率良く効果的な運動や食事療法を指導する。
VR(仮想現実)ゴーグルを使ってゲーム感覚で体を動かす有酸素運動など、ユニークで最先端の運動方法も取り入れる。「最新の知見や研究内容を分かりやすく伝え、一人一人に合った指導をすることで、寝たきりにならない予防医療や無理のないダイエットにつなげたい」。ジムを訪ねた。

持病など踏まえ個別のメニュー

メッドサイスポーツラボでは、初めに問診を行い、持病や服用中の薬、血液検査の結果などを把握する。運動の効果や危険性などを見極めた上で、その人に合わせた強度や内容の筋力トレーニングと有酸素運動を提案、指導。運動や栄養学のレクチャーも行う。
安曇野市在住の30歳の女性は、4月半ばから通っている。「病院で運動するように言われたので、自分流でやってきた。ここでは持病に配慮してくれるので、安心感がある」。トレーニング後の筋肉痛などから、筋力が付いてきた手応えを感じる。「自分で『もう無理だ』と思っても、鼓舞してもらえて頑張れる。健康で過ごしたいので、いいきっかけになった」と話す。着替えやシャワーがある点も、空き時間に手ぶらで気軽に行けるため「利用しやすい」という。

基礎研究継続し最新情報指導に

内田晃司さんは2014年信州大医学部卒業、18年に医学博士の学位を取得。20年まで米国メイヨークリニックに留学し、現在も予防医学の基礎研究に携わる。
留学の前後に松本市内の病院で健康診断に関わり、「運動さえすれば良くなる人が多い」と実感したものの、健診の場では時間内で伝えられることに限度があった。翌年の健診で数値が悪化する人が多く、「寝たきりになる前に何とかしたい」と考えるようになった。「第一線で研究を続けているからこそ得られる最新の医学情報を、分かりやすく丁寧に伝え、広めたい」と事業化を決めた。
22年3月、株式会社メッドサイスポーツラボを設立し、オンラインでパーソナルトレーニングを始めた。効果は出てきたが、リモートでは筋トレのフォームチェックや適切な運動の強度を伝えにくいため、直接指導ができるジム開設に踏み切った。
筋肉量や筋力が低下する「サルコペニア」や、心身の活力が低下した状態の「フレイル」など、高齢者の健康状態の悪化を防ぐためにも、運動が良いことは知られている。しかし高齢になると持病や疾患を持った人も多いため、安全な運動や強度などが分かりづらく、運動から遠ざかってしまいがちだ。
同ジムのトレーナーで医学修士の近藤大樹さん(30)も「リスクがある人にも安全を担保しながら、何をどれだけやればいいか、最適な運動を届けたい」と話す。

「健康になりたい人に来てほしい。運動習慣を身に付けて卒業してもらい、健康な人が多い地域になればうれしい。気軽なセカンドオピニオンとしても利用してもらえれば」と内田さん。成人後の生活習慣病につながる可能性がある小児肥満症への対応を望む声が小児科医から上がるなど、専門家の注目も集め始めている。
見学無料。HPはこちらから。内田さんTEL080・8030・9035