【働くママ・パパ】塩尻商工会議所で働く戸田紅雀さん

職場も家族も理解「半育休」

塩尻商工会議所(塩尻市大門一番町)で働く戸田紅雀(くじゃく)さん(29、松本市)は、1歳の娘を育てるママです。育児休業の取得に当たり、仕事を引き継ぐ人の負担軽減や復帰後などを考え、育児休業給付金をもらいながらでも一時的・臨時的に働ける通称「半育休」を利用しました。

★商議所の仕事
戸田さんは地元の短大を卒業後、同商議所に就職。事務局でさまざまな事業の経理や、大門商店街で行う「ハッピーハロウィーンinしおじり」などのイベントの実行委員を担当しています。
2021年に結婚し翌年出産。子どもを保育園に預けられ次第、復帰する予定でした。しかし、仕事の引き継ぎや業務から離れることで周りに負担をかける心配、休業後すぐに仕事に戻れるかといった不安を覚えます。
育児休業中でも今の業務を少しでもサポートできる方法はないか―。そんな思いでインターネットで調べたところ「半育休」を知りました。

★前例はなかったが…
「半育休」は、一時的・臨時的な就労であれば、賃金を得て育児休業給付金も支給される制度(合計額により給付金の減額あり)で、労使の合意が必要です。
それまで塩尻商議所で利用した人はいなかったため上司に相談すると理解を得られ、週1回程度働くことになりました。
一緒に働く谷田部和良さん(41、松本市)は「戸田さんの業務は重要だし、少人数で仕事をしているので復帰してもらうことが必要でした。また、誰かが休んだ時は、担当以外の人が仕事をフォローする体制が整い始めたところだったので、この制度の利用にも対応できました」。

★夫の協力
「産後、外に出ない生活で、社会から孤立したように感じた」という戸田さん。しかし、短時間でも仕事をするようになり「気持ちをリフレッシュできました。自分も子どもも、復帰した時の生活リズムに少しずつ慣れていけたのも良かったです」。
大変だったのは、仕事をしたい日と、一時預かりの空き日が合わないことでした。そんなときは実家の母親に預かってもらったり、夫の雅也さん(29)が仕事を調整したり。
「半育休の間は、妻の出社時間と子どもの送迎スケジュールをしっかり確認しました。自分の予定と擦り合わせてどこを調整してどう動けばいいかや、復帰後のイメージを早い段階から持てたことは良かったです」と雅也さん。
4月からフルタイム勤務に戻った戸田さんは、「家族を大事にしながら、仕事では所内のメンバーと連携し、業務が円滑に進むようサポートしていきたいです」。

【育児休業中の就労】法律で育児休業期間中に就労することは想定されていないが、労使の話し合いにより、子の養育をする必要がない期間に限り、一時的・臨時的に事業主の下で就労することができる。その場合、就労が月10日(10日を超える場合は80時間)以下であれば、育児休業給付金が支給される。「平日2時間働く」「毎週火曜日に働く」といった恒常的・定期的に就労する場合は、育児休業給付金を受けられない。