
松本市梓川アカデミア館は5月13日、精霊が宿ったとされる古い道具の妖怪「付喪神(つくもがみ)」をイメージして作るワークショップ(WS)を開いた。近隣の子どもから大人まで12人が参加し、地域住民から提供された古道具や着物のほか、木の枝や実などを用い、創造力豊かに神々を作った。参加者の作品は6月4日まで、館内に展示している。
講師は美術家の杉原信幸さん(43、大町市平)。湯たんぽやそろばん、やかん、レコードプレーヤー、食器、箸、着物、流木などから好きな物を選んだ参加者は、切ったり結んだり、ひもでしばりつけたりし、2時間ほどで顔や体を形作った。
松本蟻ケ崎高校3年の太田陸さん(17、島立)は、古い振り子時計に座布団や着物をくくり付け、割った湯飲み茶わんのかけらを散りばめた。「完成形を考えず、気の向くままに手を動かし、創り出す過程が楽しかった」と太田さん。
杉原さんは力作の数々に、「参加者が持つイメージと、道具に宿った土地の記憶が結び付いた。創造性がある地域だと感じた」と話した。
展示は午前9時~午後5時(最終日4時)。無料。月曜休館。杉原さんが香川県で開いたWSなどで、土地の物で作った獅子も並べる。4日午後3時から30分間、杉原さんと仲間による「即興獅子舞パフォーマンス」がある。
問い合わせは同館TEL0263・78・5000