
松本市里山辺出身の文学博士で清泉女子大、東京未来大(共に東京)非常勤講師の太田真里さん(横浜市)が、松本地方の御柱祭行事についてまとめた「松本平の御柱祭」(鳥影社)を出版した。
諏訪の御柱祭から1年遅れで行われる松本、塩尻市、辰野町の計9社の御柱行事を入念に調査・研究。2011年に松本市の須々岐水(すすきがわ)神社(里山辺)、17年には同神社と同市入山辺の大和合神社、宮原神社、橋倉諏訪神社、里山辺林と神田が関わる千鹿頭神社、島立の沙田(いさごだ)神社、塩尻市の小野神社、辰野町の矢彦神社での御柱祭に出向いて一連の行事を調べ、各祭りの様式や木遣(や)り師が歌う歌詞の分析、地区の特色などをまとめた。
研究のきっかけは、諏訪の御柱祭を東京の知人と見に行った際、「自分の出身地にも御柱祭がある」と伝えたものの、違いや祭りの様子などをうまく説明できなかったこと。太田さんは、県内に何度も足を運ぶ中で地元のつながりを改めて感じたといい、「名称は同じ御柱祭でも、形式は各地で異なり『おらほの御柱』で多様性があるところが魅力。松本平の伝統文化に思いを寄せてもらえれば」。
市内の書店やウェブサイトで購入できる。B5判、224ページ、1980円。