相談場所や活動など紹介「ここなら」 不登校に寄り添う冊子

不登校の子どもたちの親の会でつくる任意団体「ここなら~中信地区こころをつなぐ不登校ひきこもりネットワーク」は、相談場所や活動の様子などを載せた冊子「ここなら」を作りました。代表の片桐政勝さん(55、安曇野市穂高有明)に話を聞きました。

交流きっかけに制作

★冊子の内容
松本市を拠点とする「はぐルッポ親の会」や「ほっとウイング~不登校ひきこもり親の会~」、安曇野市を拠点とする「ひらく~あづみの不登校を考える親の会」、塩尻市が拠点の「起立性調節障害松本親の会」など、中信地方の19グループの活動概要や開催場所、連絡先などを紹介しています。
冊子名は「ここなら安心」「ここなら大丈夫」という思いから付けました。さまざまな原因で、子どもが不登校や行き渋りになったときに、この冊子が少しでも役立てばと願っています。
表紙の絵は、絵を描くことが好きな高校生「めいりん」さんに依頼しました。はぐルッポで出会った時に伝えた絵のイメージは、安心して暮らせる温かくて寛容な社会。さまざまな人が輝いている素晴らしい表紙になりました。
冊子の後半には、子どもたちの自信を育む活動をしているNPO法人D.Live(滋賀県)制作の「不登校4つの段階」という表を掲載しました。行き渋り期から回復期まで、四つの段階における親の関わり方や「これだけはやめて」、今後予想されることなどが分かりやすくまとめられています。
★作るきっかけ
今年3月に、先の4グループで交流しました。互いの会に参加したメンバーもいたので、情報をまとめて形にしようということで一致しました。
学校へ行かない・行けない子どもの多くは、親を悲しませていると思っています。だから親の心持ちも大事です。子どもが学校へ行かなくなると、今までのママ友と疎遠になってしまう場合もあるので、情報交換の場としても親の会は有効だと思います。
発行から2カ月余りたちますが、意外なことに問い合わせの8、9割は祖父母からです。共働きの親に代わって一緒にいる、離れて暮らしているけれど自分も力になりたいので欲しいという方もいます。
★片桐さんの願い
悩んでいる親子に勘違いしてほしくないのは、必ずしも学校へ行く(戻る)だけが回復ではないということ。別の居場所でもいいのです。
だからこの冊子が「ここに行ってみようかな」という一歩を踏み出すきっかけになれば何よりです。「ここなら」という居場所に出合ってほしいです。
また、何とか学校に通っているけれど、心がギリギリの子もいます。そんな子どもたちにも、ありのままを受け止めてくれる場や、いろいろな学びのスタイルがあるということを知ってほしいです。

冊子はA5判カラー、30ページ。中信地方の病院などに置くほか、希望者に無料で分ける。問い合わせは片桐さんTEL080・4007・1216

子どもの「選択」を受け止める
自分で決められる環境で成長をサポート
「まなびのいえ」小髙直樹さん

「ここなら」に紹介されている「まなびのいえ」(安曇野市豊科)を運営する小髙直樹さんは、自身の子どもが学校へ行かない選択をしたことがきっかけで、子どもの居場所をつくりました。
まなびのいえは、2017年にスタートした子どもたちのための居場所&学習スペース。子どもたちのあるがままを受け入れ、自分で考え、決める、行動するサポートをしながら成長を見守っています。
立ち上げたきっかけは、ドキュメンタリー映画「みんなの学校」の舞台となった大阪市立大空小学校の元校長、木村泰子さんとの出会いです。教職員だけでなく保護者や地域の人も一緒になって、誰もが通い続けることができる学校をつくりあげた木村さんの話を聞き、自分も─と決断しました。
まなびのいえには、学校へ行っている子も行っていない子も来ます。黙々と静かにやる子もいれば、話しながらやる子もいます。
「学校は行くものという価値観が根強いですが、行く行かないの選択でしかないと思います。不登校だから問題─ではなく、『行かない選択をしたんだね』という受け止めができればいいと思います」と小髙さん。
「あらゆる状況に一喜一憂せず、その時ベストだと思うことを一つ一つ丁寧に選択していけばいい。子どもたちがよりよい状況で自ら選択することができる。そんな環境、場をつくっていこうと思います」と言います。
さらに「大人も自分で選択して生きることが大切。子どもはその姿を見ています。そんなことも含めた居場所づくりだと意識しています」と言います。