生坂の工房「玄々舎」小林さん夫妻が展覧会 透きガラス暮らしの器

生坂村で吹きガラス工房「玄々舎(げんげんしゃ)」を主宰する小林正則さん(57)と、妻の美和(本名・小林)抄斗子(さとこ)さん(60)は7~11日、展覧会「暮らしの器」を松本市両島のガーデン&ギャラリー風雅で開く。「透(す)きガラス」と呼ばれる無色透明なガラスの花器や食器約200点を展示する。
2人が透きガラスを主にする理由は、「一番、ガラスらしいガラスだと思っているから」と美和さん。さらに、ガラスの魅力を引き出すため、中に泡ができる技法「水あわ」を使うのが特徴だ。
工房内は常に炉が1300度ほどに熱せられ、2人は日を変えて交互に炉を使い、汗を流す。今回は、小林さんが花器を、美和さんはテーブルウエアを主に作った。
時には共同で行う仕事もある。その一つは「ポンテをとる」(イタリア語で橋渡しの意味)作業。さおの先に付いたガラスを吹いて作った器の底に、反対側から別のさおを付けて器を受け渡す。最初のさおが付いていた場所に器の口を作るため必要な工程だ。
2人は20代で東京ガラス工芸研究所(川崎市)に入った。美和さんは埼玉県川口市出身。美術短大で学び、3年間、デザインの仕事をしたが、「先へ先へと対応していく世界よりも、工夫が楽しい手作りの世界の方が魅力的だった」と笑う。結婚後、しばらくして松本市出身の小林さんと共に信州へ移った。
展示は午前10時~午後4時半(11日は3時)。風雅TEL0263・25・8544