
扇面にかいた絵や書作品の全国公募展「安曇野涼風扇子展」(実行委員会主催)が19~30日、安曇野市豊科近代美術館と、同館近くの法蔵寺(豊科)で開かれる。5回目の今回は、賞の増設など内容のさらなる充実を目的に、クラウドファンディング(CF)で資金を獲得。関係者は「安曇野の風物詩になる催しに」と力を入れる。
扇子展は2018年に初開催。千点ほど応募があり、2会場に分けて展示した。翌年も続けたが、20年は新型コロナの影響で中止に。21、22年は協賛者の尽力で何とか開くことができたという。
この一方、これまで運営する中で、副賞の金額(大賞50万円など)が大きいのではないか、運営を手伝ってくれる人に満足なお礼ができていない|などの疑問点や問題点も生じた。実行委は「副賞額を落とすことで応募数が減ったり、質が落ちたりするのは避けたい」と、150万円を目標に4~5月にCFを実施。目標を上回る金額を得られた。
新賞は、所蔵する檜(ひ)扇(おうぎ)が国宝となっている世界遺産・熊野速玉大社(和歌山県新宮市)の名が付けられた賞など2種(16点)。実行委員長の古幡開太郎さん(72)は「長い歴史の中で育まれた日本の扇子の芸術性を安曇野から発信したい」。
両会場とも展示は午前9時~午後5時(最終日は4時)。同展のみの入場は無料。初日の10時から美術館で公開の審査がある。美術館TEL0263・73・5638、法蔵寺TEL0263・72・2273