信大生が無償学習塾サークル立ち上げ 意欲のある子の力に

学ぶ意欲がある子どもたちを経済事情に関係なくサポートしたいと、信州大の学生たちが新たなサークルを立ち上げた。「高いお金を払って学ぶのは、平等でしょうか」と、代表の田中優大さん(19、理学部2年)。試行で8月、参加費が数百円の夏休みの宿題支援会を催し、9月から学内や公民館で無償の塾を開く計画だ。

環境左右されない学びを

サークル名は「ふくろう」。理学部や人文学部などの10人余がメンバーだ。
昨年から無償支援の構想を温めていたという田中さん。原点は、自ら体験した受験競争だ。地元の宮崎県でも、中高一貫校や塾に通える生徒が有利だった。母親が家計を支える家庭に育った自身は、特待生で私立校に通ったが、周りには意欲があっても経済的理由で能力を伸ばせない生徒がいた。
信大に進学し、学生アルバイトの塾講師の様子を見て「自分でもやれる」と感じた。「できれば無償で」と思い立った。
サークルの副代表を務める堀川朗生さん(19、理学部2年)には、地元の沖縄県で経験したコミュニティー活動の思い出がある。誰でも出入りできる公共の場で、家庭に困難を抱える子どもたちを、地域の人たちが支えた。「社会に必要なもの」と堀川さん。
「ふくろう」の塾も予約不要、出入り自由で、毎回5人ほどの学生が教える予定。小中高の教科学習のほか、やる気があれば、発展的な内容も学べるという。例えばプログラミング。本格学習に必要な英語の読解を助け、「小学生の力も伸ばせれば」と田中さん。数学なども大学レベルを勉強できる。
夏休みの宿題支援会は7日午後、8日午前と午後、21、22日午後で、いずれも松本市城東公民館(元町3)。参加費は小学生100円、中学生200円、高校生300円。参加者にアンケートし、無償にする9月以降の運営方法を探る。問い合わせはメール(22s2018b@shinshu-u.ac.jp)で。