涼やかな白 中心に 陶芸家・藤田さん 地元で初個展

シンプルなデザインと使いやすさが人気の陶芸家・藤田千絵子さん(安曇野市明科中川手)の、地元での初個展が8月22日まで、松本市中央2のギャラリー「器と工芸なかつか」で開かれている。子育てでしばらく制作のペースを落としていたが、今年からギアを上げて活動。新たな挑戦の成果を展示した。
皿や鉢、カップ、一輪挿しなど、涼やかな白のラインアップを中心に約200点を展示販売。白のシリーズは、藤田さんの代名詞とも言える「アイボリーシリーズ」に代わるもので、大人っぽく落ち着きがある。
アイボリーの作品は昨年、材料の土の産地が豪雨災害に遭い、制作できなくなった。新しい土を1年かけて探し、試作を重ね、新たな白にたどり着いたという。「土によってデザインなどの発想が変わる。わくわくできる土にようやく巡り合えた」と笑みがこぼれる。
タタラ(粘土板)作りの皿やゴブレットなど、新たな製法や形状の作品も並び、盆過ぎにはこちらも初挑戦の、漆を塗った「陶胎(とうたい)漆器」も加わる予定。一方で、専門校時代に作った、遊び心がある底の丸いカップも復活させた。
「『これでやっていく』という決意を込めた個展。手に取って感じてもらえたら」と藤田さん。午前10時~午後5時。13~16日休み。なかつかTEL0263・32・4168