服飾学生がシルク活用案競う

安曇野市の商業、観光団体でつくる市海外プロモーション協議会は、都内などの服飾専攻の学生10人を招き、交流事業「シルク・アイデア・コンペティション」を始めた。市の特産、「穂高天蚕糸」の利用拡大のアイデアを出してもらい、国内外に広めるのが目的。初の本格的な活動となった7月31日~8月3日、学生は同市に滞在しながら天蚕への理解を深めた。
一行は、岡谷蚕糸博物館(岡谷市)、天蚕センター(安曇野市穂高)を見学。天蚕の収穫や、糸を取る「繰(そう)糸(し)」の体験などをした。
また2日は、巨大ステンレス彫刻家の中嶋大道さんのアトリエ(穂高牧)を訪れ、制作動機、作品の特徴などについて説明を受けた。
同コンペは本年度で3回目。全国から約20人の応募があり、10人を選抜した。今後はオンライン上で月2回会議を開き、コンセプトやデザイン案を作成。来年2月にプレゼンし、商品化の可能性を探る。
筑北村出身で文化学園大(東京都)4年の村田充生(みつき)さん(21、同)は「天蚕の歴史や伝統などを知り、可能性、課題を分析し、自分の思いが入ったアイデアをプレゼンしたい」。同協議会の事務局担当者は「若者の感性で商品化につながるアイデアが出れば」と期待する。