祖母の形見の糸車  染色家に託す

朝日村西洗馬で染織と農業を営む永井泉さん(41)に5日、糸車が贈られた。MGプレス6月7日付に掲載された、永井さんの活動を紹介する記事を見た松本市岡田下岡田の画家・中村石浄さん(86)が、祖母よしさん(1963年没)が愛用した糸車を、永井さんに託した。
木製の糸車は長さ約1メートル、輪の直径約60センチ。記事は、7年前に同村に移住した永井さんが自身の糸車を使い、自ら栽培した綿で糸を紡ぐ写真を掲載した。
4月から染織の教室も開いている永井さんは「手を入れて大切に使いたい。生徒も増やせる」と喜び、中村さんは「祖母の姿がしのばれる。使ってもらえればうれしい」。
寄贈に立ち会った朝日美術館の学芸員・青木啓子さんは「自然豊かで人情味がある村だからできる、移住者のものづくりが発展してほしい」と話した。