
日茅野で公演後日配信も
松本市安曇の大野川中学2年・楓(もみじ)朗人(あきと)さん(14)は、茅野市を拠点に活動する児童劇団「長野『大きな夢』子どもミュージカル」の団員。9月3日に同市で上演するミュージカル「夜空の虹」で、主役のネズミ「ムーム」を演じる。入団2年目で射止めた大役だ。
「レ・ミゼラブル」に感動
学校から大声で歌いながら帰宅したり、自宅で英ロックバンド「クイーン」の曲を熱唱したりと、小さい頃から歌や、音楽に合わせて体を動かすのが大好きな楓さん。一昨年秋にまつもと市民芸術館で上演された「レ・ミゼラブル」でミュージカルと出合い、「歌の迫力がすごく、圧倒された。感動した」。
「自分もやりたい!」と望んだが、松本の近辺ではミュージカルに取り組める場が見つからなかった。母の紋子さん(44)があちこち探し、主に諏訪地域の子どもたちが所属する同劇団を見つけた。楓さんも公演を見て「子どもが演じているとは思えないほどクオリティーが高い」と、茅野での週1回の練習に、母の送り迎えで参加することにした。
芝居の奥深さ練習に熱
昨年の公演に初めて出演し、今年は劇団内のオーディションを受けて、主役に抜てきされた。「うれしかった」と顔をほころばすが、演じていてふと、役から離れて自分に戻ってしまう瞬間があるという。「自分が役として存在することを、意識してやりたい」
「立ち姿からすでに芝居」と教わり、「芝居って深いな」と実感することも。自身の演技は指導者から「正統派」と言われるが、「ムームは三枚目のキャラ。表現の幅が広がれば」と意欲的だ。
中学卒業後は、ミュージカルが学べる劇団「BDP」(東京都)のアカデミー(16~22歳)に入るつもりという楓さん。「芝居やミュージカル、音楽にずっと関わっていきたい」。夢は「レ・ミゼラブル」の舞台に立つことだ。
【メモ】
「長野『大きな夢』子どもミュージカル」第14回公演「夜空の虹」 華やかに着飾った世界各国の人形が集められた屋敷の天井裏で、一人ぼっちで暮らすネズミのムームは、身なりは地味だが心の美しい粘土人形のアンナと友達になる。人形たちから仲間外れにされたアンナの祈りを聞き、ムームは本当の友情のために、ある決断をする―。
9月3日に2公演あり、楓さんがムームを演じる「夕組」は午後4時半開演(午後0時半からの「昼組」では人形役)。茅野市民館の観劇チケット2100円(全席指定)は同劇団のホームページから、ライブ配信システム「ZAIKO」の配信(9月16~23日)チケット2000円は専用サイトで購入できる。問い合わせは同劇団TEL050・6878・3958