ミドルシニア男性がメークの力で変身 松本市「TADACHIYA」でメンズビューティー企画

ヘアメークアップのプロの手で一般の人3人が、あっという間にすてきに変身!そんな企画が8月23日、松本市大手3の「TADACHIYA」で開かれた。モデルは皆、40代以上の男性だ。
内面の魅力をヘアメークで引き出し、「自分史上最高にかっこいい」を実現させる資生堂ジャパンのメンズビューティー企画「ダイアメンズ」。吉沢彰英さん(68、安曇野市三郷明盛)に、資生堂トップヘアメイクアップアーティストの原田忠さん(51)と、トータルメイクアップディレクターで田立屋常務取締役の大宮小さ依よりさん(44)の2人がメークし、髪形を変えると-?

自分を引き立て格好良く

「アンチエイジングを考えてはいるが、普段は風呂上がりに化粧水を付ける程度」という吉沢彰英さん。日頃、眉の手入れをしたりファンデーションを塗ったりすることはなく、化粧品専門店「TADACHIYA」で開かれたビューティー企画が「初めて」という。
20分ほどでヘアメークが終わると、明るい顔色や整えられた眉毛などがきりっとした印象になった。「違和感がなく自然な感じだけど、雰囲気が変わった」と本人も驚くほど。持参したジャケットや眼鏡も替えて再登場すると、会場から拍手が起きた。
その後の写真撮影では、カメラマンらから立ち方や手の位置、顔の角度などさまざまなポーズを提案された。「やったことがない。緊張する」と戸惑いながらも、次々とポーズを決めていく吉沢さん。スタッフらから「かっこいい」「ビジネス雑誌の表紙みたい」と声が上がった。
撮り終えた後、吉沢さんは「皆さんの声が楽しかった。こんなに変わるんだというのが実感で、この格好で外を歩くと楽しいかな」とにっこり。「一番変わったのは眉だが自分で手入れをするのは難しそう。髪形は取り入れてみたい」と話していた。
ウェブ会議の普及などでカメラにアップで撮られたり、自身の顔を見たりする機会が増え、若い世代を中心に一般の男性がメークをしたり、性別や年齢を問わないことを前面に打ち出した化粧水が出たりしている昨今。だが、「男性の化粧には抵抗を感じる」という声も聞く。
原田忠さんによると「40代以降は髪の『張り』や『こし』が無くなったり、つやが少なくなって白髪や薄毛などが出てきたり、また眉毛が薄くなることで印象も変化してくる。しみやしわ、くまやたるみなども気になり始める頃」という。自身も50代。人前に出るとき、眉を描くことが習慣化したことに気付き、「多くの同年代の人も、そんな悩みがあるのでは」と感じたという。
「髪形を変えたり肌をケアして整えたり、気になる部分にメークをすることで、さりげなく見た目の印象を変え、清潔感を出せる。自分の魅力に気付くきっかけにして、世の中のおじさんが格好良くなればいいかな」と原田さん。
ただし「メーク感が出過ぎると『頑張り過ぎ』な感じになる。メーク感を出さず、清潔感があって若々しい雰囲気を出すのが主流」という。
原田さんと共に仕事をしてきた大宮小依さんは「今回の企画は、メンズメークに興味を持ってもらい、広めていく第一歩。今後は、男性が自分をより引き立てる身だしなみのアドバイスや、レッスンメニューを企画していく」と話している。