【物語の世界へ】 キャンプの楽しさ伝わる絵本

ぼくキャンプにいったんだ(わたなべしげお・さく、おおともやすお・え、あかね書房、1430円)

キャンプに行く前に、帰ってきてからも読みたくなる一冊を紹介します。
夏休みに、くまたくん一家はワゴンに乗ってキャンプに行きました。お父さんとお母さんが準備する荷物はたくさん。果物や野菜もいろいろあります。くまたくんも必要なものをリュックに詰め込みます。見ているだけでワクワクしてきます。
荷物をワゴンに載せて出発!混んでいる町の道路を抜け、キャンプ場へ向かいます。街並みや景色が丁寧に描かれています。
キャンプ場に着くとテントを張り、魚釣りに挑戦します。川遊びでは、くまたくんがお母さんに水をばしゃばしゃかけて「きゃあきゃあ」とはしゃぐ場面も。その後もまだまだお楽しみは続きます。
キャンプの流れがリアルに描かれているので、自分も体験しているかのように物語に入り込めます。お父さん、お母さんも心から楽しんでいる様子が印象的。たくさんの愛情に育まれたくまたくんの様子にほっこりさせられます。
作者のわたなべしげおさん(1928~2006年)は、このくまたくんシリーズなど多くの作品を残した児童文学者・翻訳家で、代表的な翻訳作品には「どろんこハリー」「エルマーのぼうけん」などがあります。翻訳と創作を合計すると、生涯に3300冊もの子どもの本を出版しました。
3人の男の子のお父さんでもあるわたなべさんの作品は、どれも子どもの心に寄り添い経験に基づいたお話です。くまたくんシリーズは三男をモデルにしているそうです。