不用の着物×現代素材 独創的な衣装 木曽ペインティングスファッションショー

木曽地域で忘れられた資源をアートに用い、持続可能な形で循環させようと取り組む芸術祭「木曽ペインティングス」は9月16日午後4時から、不用になった着物を現代の素材と合わせ、リユースした衣装のファッションショーを、大桑村殿の村歴史民俗資料館前で開く。住民のモデルが24点を披露する。
「NEO(ネオ)FARM(ファーム)STYLE(スタイル)」がテーマ。着物の裾を短くしてミリタリー調のベルトを付けた上着に、ジャージー素材の袖を付けたものや、渦巻き柄を描いた麻素材のベストを黒い着物に重ね、ウエスタンハットと合わせたものなど独創的だ。
衣装は、木曽ペインティングス代表で芸術家の岩熊力也さん(54、木曽町新開)が、デザインから縫製まで手がけた。温暖化や超少子高齢化などで木曽に住む人がほとんどいなくなった近未来で、この地に残り生き抜こうとする人たちをイメージしたという。
芸術祭は2017年に始まり、これまで6回、木曽郡内で開催。今年は「もっとテーマを突き詰めた表現を」と、岩熊さんと出展者の奥野宏さん(39、大桑村)、中條聡さん(29、松本市)が芸術家グループ「GR19」を結成し、展覧会「土着とストリート」(23日~10月22日)を、同資料館近くの養蚕農家だった古民家で開く。
ファッションショーは展覧会の関連企画。「GR19」がオリジナル曲を生演奏するなどし、展覧会の幕開けを飾る。岩熊さんは「地域の歴史や現在の環境を考えるきっかけになれば」と話す。
展覧会のその他の出展者などは、公式ホームページに。問い合わせは事務局TEL050・3700・5277