
池田町池田の「カフェ風のいろ」は9月24日まで、日本星景(せいけい)写真協会理事で、天文学者でもある長野高専(長野市)教授の大西浩次さん(61、同)の写真展「『銀河鉄道の夜』への旅」を開いている。星景写真は、星空が入った風景写真のこと。国内外で撮った17枚で、宮沢賢治の小説に登場する場面を再現している。
小説「銀河鉄道の夜」は、主人公の少年ジョバンニが友人カムパネルラと、銀河鉄道に乗って天の川を旅する物語。乗車点は北十字と呼ばれる「はくちょう座」で、終着点は「南十字星」だ。大西さんは「賢治は、天の川を二つに分ける暗黒帯を線路とみていたのでは」と言う。
展示作品には、写真の題名と撮影地などの他に、小説のどの部分を想定した写真かを表す副題と、抜粋文を添えた。例えば、「銀河が流れ込む」という写真には、小説の場面から「ケンタウル祭」の副題を付け、「その火がだんだんうしろの方になるにつれてー」と、小説の一部を添えた。撮影地はオーストラリアだ。
大西さんが特に見てほしいという作品は、「小惑星探知機『はやぶさ』の最後の輝き」と題した一枚。友人の命を助けたカムパネルラが南十字星近くの暗黒星雲に入ってしまったことと、小惑星「イトカワ」を探査した「はやぶさ」が地上にサンプル入りカプセルを落とし、本体は燃え尽きる場面を重ねた。落下地点(オーストラリアの砂漠地帯)近くでの撮影という。
午前10時~午後5時。水~金曜休み。同店TEL0261・85・0005