高美書店が所蔵 第1回松本博出品の「預かり証」 公開

1873(明治6)年に松本城天守を会場に開かれた第1回松本博覧会。そこに「待合鳴し」(古銅鐸)を出品した高美書店(松本市中央2)が、当時主催者から発行された「預かり証」を所蔵している。7日~12月10日、市立博物館(大手3)で開く開館記念特別展「まつもと博覧会」で公開する。
預かり証は24×17センチ。主催した松本博覧会社が箱入りの「待合鳴し」を受け取ったとし、「会が終了後、十五日以内にこの券と引き替え」に品物を返す旨が書かれている。時期は「明治六年」。月日は記されていない。
出品者は高美正浩・現社長(80)の5代前の甚砂(甚左衛門)さん。
この古銅鐸については、県考古学会会長だった桐原健さん(同市旭2)が同学会誌90号(1999年5月発行)に、高名な蚕種家の藤本善右衛門縄葛が博物誌『續錦雑誌』で松本博を見学し図入りの出品目録を残したことを紹介。「高美甚砂出品の銅鐸もよく特徴をとらえて画(か)いている」と評価する。ただ、「同(高美)家に現物は存在していない」と記している。
高美書店は江戸時代から続く老舗。高美社長は「古い資料で『これは面白い』と思えるものを取っておいた。博覧会をテーマに特別展を開くとの話を聞き、協力できるのではないかと思った」と話す。一方で、「銅鐸が残っていれば価値あるものだったかもしれない」と残念がる。
松本博に関する資料は少なく、「(預かり証は)市内で2、3あるかどうか」と市立博物館学芸員の原澤知也さん(30)。出品物の取り扱いの一例を伝える貴重な資料と言えそうだ。7日からの特別展に、松本博の関係は約30点、同博開催を主導した市川量造の関係は約20点を展示する。
松本博は、市川量造らが、松本城天守と本丸を会場に使うことで、競売にかけられ取り壊される寸前だった天守を救う役割を果たしたと伝わる。