大町の「水」を芸術で表現 市街地の空き家などで作品展

大町市街地の空き家・店舗などに9日まで、公募で選ばれた4人のアーティストが制作した作品が展示されている。同市に滞在しながら作品を制作する事業「信濃大町アーティスト・イン・レジデンス」(北アルプス国際芸術祭実行委員会主催)の一環。同市を象徴する「水」をそれぞれの視点や感性で捉え、地域の良さを表現した作品がそろう。
4人は約50日間滞在。「水をつむぐいとなみ」をテーマに、市内各地を取材し、自然や住民との触れ合いから着想を得たり、地域資源を使ったりしてインスタレーション(空間芸術)や陶器などを手がけた。
井上唯さん(40、滋賀県)は、古い着物やパジャマなど幾種類もの布を縫い合わせた大きな旗に、地域の風景を刺しゅうで描いた。
北アルプスや里山、滝、湖、川の他、水の恵みを受ける田畑などをイメージし、ボランティアと一緒に縫った。虫食いの穴にレースカーテンを当て、「大町に来て初めて知った雪形に見えたらいいな」と井上さん。7日午前10時~午後2時、小熊山パラグライダー離陸場で今作などを掲げる催しを開く。
高久柊馬さん(24、横浜市)のインスタレーションは八坂地区の竹、鏡などで山や空、湖ほかを表現。大町の景色が春の田の水鏡に映り一層美しく見えた体験に着想を得た。「割れた鏡で作ったオブジェに映した作品の面白さを見て、普段と違う視点で地元の景色を楽しんでほしい」
平日午後2~7時、土・日曜、祝日午前10時~午後5時。7~9日は旧ショーゲツ店舗でライブやワークショップ、物品販売などの「つむぎ市場」も。詳細はホームページ参照。同実行委TEL0261・85・0133