「松高・信大寮歌祭」4年ぶりに歌声響かせる

旧制松本高校の寮歌などを歌い継ぐ「松高・信大寮歌祭」(実行委員会主催)は9月30日、松本市勤労者福祉センター(中央4)で開いた。コロナ禍で4年ぶりの開催。寮歌が多く生まれた思誠寮で過ごした同窓生らが、青春時代に思いをはせながら歌声を響かせた。
松高のOBや家族5人をはじめ信州大の同窓生、信大混声合唱団、交響楽団の学生ら72人が参加。代表的な寮歌の「春寂寥(せきりょう)」や「嗚呼(ああ)青春」「夕暮るゝ」のほか、松高校歌、信大の創立70周年を機に作られた大学歌など、新旧織り交ぜた約30曲を歌った。
最高齢は松高29回生の鈴木敞さん(93、東京都西東京市)。1950年の卒業証書には松高と信大両方の名前が書かれていたという。「寮歌が好きでよく歌った。(寮歌祭が)続いてうれしい。健康を大事にし来年も参加したい」と話した。
他校では五高の流れをくむ熊本大卒の本田俊哉さん(64、東京都葛飾区)が参加し、五高の「椿花咲く」など2曲を披露。「旧制高校の寮歌を引き継いでいるのは、全国でも四高の金沢大と信大くらいしかない。ぜひ続けてほしい」とエールを送った。
寮歌祭は松高同窓会が2015年まで開いていたが会員の高齢化などで終了。翌年、信大同窓会連合会などが名称に「信大」を加えて引き継いだ。
今年は、あがたの森文化会館講堂(旧松高講堂)が補修工事で使えず会場を変更。来年は5月18日、同講堂で開く予定だ。