松本市美術館「学美展」に出品 高校美術部員 作品への思い

中信地区15高校の美術部員の作品を展示する「第77回松本学生美術展(学美展)」が10月20~22日、松本市美術館で開かれる。145人が絵画や工芸、立体など力を注いで制作した作品を出品する。そのうちの2人に自作への思いを聞いた。

アクリル画「女神の休息」 百瀬綾乃さん(17)田川2年
女神アテーナー引かれ題材に

百瀬綾乃さんが描くのは、森の中でくつろぐギリシャ神話の女神「アテーナー(アテナ)」。都市の守護神として平和を守るために戦う神だ。
「神によってストーリーが異なるギリシャ神話の世界観が好き」という百瀬さん。中でも強くてかっこいい女神に憧れた。図書館などで調べるうちに、戦いのイメージが強いアテーナーは、自然を大切にする心豊かな神でもあるという二面性を持つことを知り、さらに引かれた。
今回出品するアクリル画は、戦いに疲れたアテーナーに「緑豊かな森の中で、ゆっくりと休んでほしい」という思いを込めて描いた。木や花の妖精たちが遊ぶ中で、りりしい女神がリラックスしている表情を会場で見てほしい。

立体作品「起源」 久保寺翔淑さん(16)エクセラン2年
鳥が好きになった原点を表現

久保寺翔淑さんは身長155センチ。飾ると自分の背丈を超える作品は、岩から飛び立つ瞬間のハイタカ。石粉粘土で作った。
「鳥の一番の魅力」と話す羽を引き立たせようと、1枚ずつ作って丁寧に貼り付けた。その数300枚以上。「根気のいる作業だけど、形になるにつれ、愛着が湧いて頑張れた」と言う。
幼い頃、家族と登山をしているときに、ハイタカが飛び立つ瞬間を目にした。その際に父親が撮った写真が「目的に向かって飛び立つ、決意に満ちたまなざしがかっこいい」と、鳥を好きになるきっかけにもなった。
自身の「好き」の原点を、写真の雰囲気そのままに再現した。「羽や目つきなど、鳥のかっこよさを伝えたい」

【第77回学美展】20~22日午前10時~午後4時(最終日3時)、松本市美術館(中央4)市民ギャラリー。主催は松本学生美術会など。入場無料。問い合わせは同会事務局(エクセラン高校の蛭田香菜子教諭)TEL0263・32・3701