
鎌倉時代からの歴史があるとされる松本市会田の会田御厨(みくりや)神明宮(大塚利彦宮司)で7、8日、年に1度の例祭が行われた。この中で初めて、深志神社(同市深志3)の巫女(みこ)が神楽を奉納した。
神楽はお祓(はら)い、お供え物奉献、宮司の祝詞奏上の後に実施。7日の宵祭りでは地元の氏子総代、町会長ら約20人を前に、巫女の東條亜美さん(24)と牛越凜々子さん(20)の2人が、地域の繁栄を祈る「豊栄舞(とよさかのまい)」を披露した。
舞を始めて数カ月という牛越さんは「深志神社以外では初めての神楽。緊張したが貴重な体験をした」。4年目の東條さんは「深志神社とは違ったアットホームな雰囲気でできた」と話した。
例祭は、4町会が保有する「舞台」4基の曳行(えいこう)が祭りを盛り上げるが、コロナ禍で2020年から中止。今年は1基だけ登場した。
神楽奉納は、同宮禰宜(ねぎ)で深志神社権(ごん)禰宜の大塚宗延さん(46)が「舞台曳行がないと寂しい祭りになってしまう。せめて本職の神楽舞をみてもらえれば」と発案した。神楽は20年ほど前、地元の小・中学生が奉納したことがあるという。
氏子総代会長の小林有人さん(76)は「昔は映画も上映するなど、本当ににぎやかだった。コロナの影響は大きく、高齢化や人口減少もあって元に戻すのは難しいが、来年は舞台4基が曳行できるよう、総力を挙げて頑張りたい」と話していた。