
筑北村坂北の陶芸家、菊地智子さん(60)と、夫で木工と漆芸を手がける克典さん(61)は11月7日まで、池田町池田の「カフェ風のいろ」で工房展「里山通信・2023」を開いている。鳥の形の陶板やマグカップなどの陶芸作品26種40点と、木製の時計や菓子皿など19種35点が並ぶ。
2人の工房名は「ととか」。智子さんの「と」と克典さんの「か」を組み合わせて名付けた。
タイトル「里山通信」は、同カフェでの展示時に使う。昨年は智子さんの個展として開き、今年は2人展。「私たちの住んでいる所は、まさに里山。野鳥の訪れ、四季の移ろいなどを身近に感じられる」と智子さん。
陶板は、赤土を鳥の形に成形して白泥をかけた後、「体や羽の部分に、鳥が見ている雲や川、花などを白泥を落として描いた」。
克典さんは現代美術を手がけていた時代もあったが、「山の木を彫りたい」と思うようになり2001年、県上松技術専門学校(上松町)で木工の技術を習得。漆芸は、地域の漆芸家たちの作品を見て独学で技法を覚えた。04年に同村に開いた工房では、山主から許可を得て自ら採取した漆を使い、木地(指物や器など)の製作段階から漆芸に取り組む。
会場にはエンジュの木に入った赤いラインを生かした掛け時計や、漆塗りにスズの粉をまいた器、栗の木を彫った高さ50センチ以上のフクロウなどが並ぶ。「木の魅力を感じてもらえたらうれしい」
午前10時~午後5時。3日以外の水~金曜休み。風のいろTEL0261・85・0005