ビッグバンド演奏に取り組む松本県ケ丘高校軽音部

ジャズでスイング 音磨きリズム感鍛え

松本市の松本県ケ丘高校の軽音部(54人)の部員たちが今夏から、ジャズを中心としたビッグバンドの演奏に取り組んでいる。部の歴史にはビッグバンドジャズが主流だった時代もあるが、近年はポップスやロックが多い。市内で開く催しに出演の声がかかったのを機に、興味を持った21人が軽快にスイングしている。

「まつもと街なか大道芸&ジャズフェスティバル」(9月23日)が、大勢の人前での初演奏に。花時計公園で定番の「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」など4曲を披露した。
部員らは楽しそうにリズムを刻み、ソロパートも堂々と演奏。「見せ場をつくり、格好いいものを聞かせたい」という熱演で、観客から大きな拍手を受けた。
メンバーが練習に本腰を入れたのは夏休みから。本格的な曲を短期間で仕上げるため、「去年の夏休みの何倍もの時間を練習に費やした」とドラムの渡邉赳守(たける)副部長(2年)。ビッグバンドで演奏経験がある顧問の助言を受け、音を磨きリズム感を鍛えた。
楽器経験者が多いホーンセクションに対し、ドラムやベース、ギター、ピアノのリズムセクションは多くが初心者。曲の土台を担うため、高い熱量をもって練習した。ホーンセクションは、特有の節回しの解釈やソロ演奏にも力を注いだ。
サックスの住吉菜奈部長(同)は「ジャズにしかない、出せないスイング感や雰囲気が魅力」、渡邉副部長は「大人数で音をそろえて完成形に向かう充実感があり、新しい発見」と話す。
学校の創立100周年を祝う生徒のステージ発表(同29日)でも演奏し、「節目の年にジャズ熱が再燃した。そんな県陵の一面を知ってほしい」と住吉部長。12月24日に開く同部の「冬コンサート」(同市のキッセイ文化ホール、入場無料)でも、さらに観客を高揚させる演奏をしようと、練習に励んでいる。