
朝日村の写真家・宇賀神拓也さん(47)は、村で出土した縄文時代の矢尻を大判フィルムカメラで撮影した写真展「いのちの穂先」を11、12日と23~26日、自身が営むスタジオ兼ギャラリー「BLUE HOUSE STUDIO (ブルーハウススタジオ)」(針尾)で開く。
ガラス質の黒曜石で作られた2~3センチの矢尻を、フィルムを見るライトボックスの上に置き、下から蛍光灯の光を当てながら、蛇腹式のカメラで接写。縦60センチ、横50センチの紙にプリントした14点を展示する。「その時代に人間が生きていた証し」という削った痕にピントを合わせ、光を通した矢尻はそれぞれ個性的な形を見せる。
以前に村出土の縄文土器の文様に引かれて撮影した際、「なぜ人は描くのか」と疑問を抱いたという宇賀神さん。村歴史民俗資料館にある矢尻の削り痕を見た時、「人が生きるために必要なものからアートは生まれた」と気付いた感動に突き動かされ、矢尻の撮影を始めた。
「単純にきれい。作った縄文人もきっと太陽の光に当てて見ただろう矢尻を、自分は光のテクノロジーのカメラでフィルムに焼き付け、縄文人との親和性を感じた」とし、今後矢尻や黒曜石をシリーズで撮影したいという。
午前10時~午後5時半(26日は4時)。入場無料。