身も心も“推しキャラ”に―コスプレにハマる「冬のイルカ」さん

同化していく自分「楽しい」

日本を代表する文化といえる漫画やアニメ。登場人物の衣装を身にまとい、メークをしてキャラクターになりきるコスプレも人気だ。コスプレネーム「冬のイルカ」さん(25、本名非公表)=松本市=もハマった1人で、今は人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」のメインヒロイン「ウタ」にぞっこん。「身も心も“推しキャラ”に近づきたい!」

ネットや100円ショップ活用

「ウタの笑顔が好き。明るく振る舞っているが、にじみ出る闇もいい。その魅力は一言では語れない」
衣装を手作りするコスプレーヤーもいるが、自身は裁縫が苦手なため、ネット上の専門店でそろえた。ウタの場合はツートンカラーのウィッグが1万円、スカジャンなどが1万5000円ほど。
メークも、教わったり自分で学んだりして徹底的に。垂れ目がちにアイラインを入れ、つけまつげは目尻に寄せて着けるなど工夫。髪と同じ赤と白の眉は、100円ショップで買ったアイライナーで描いた。カラーコンタクトも10色ほど用意し、ウタになる時は紫だ。
メークやウィッグのセットなど完成までに2時間~2時間半かける。「鏡の中の自分が、キャラクターと同じになっていくのが楽しい」という。「写真を加工しなくても(そのキャラだと)分かるように似る」のがモットーだ。

メイド服着て定食店で接客も

コスプレを始めたのは21歳の時。友人に誘われ、衣装を借りてメークをしてもらい、友人の推しキャラでゲーム「刀剣乱舞」の乱藤四郎(みだれとうしろう)に扮(ふん)した。「(コスプレは)以前からやりたかった。なかなか一歩が踏み出せなかったが、やればできた」
漫画、アニメ好きは「北斗の拳」の単行本を持っていたり、「機動戦士ガンダム」の映画を一緒に見に行ったりした50代の両親の影響。「小さい頃からの英才教育のたまもの」と笑う。
母で漫画家だったこともあるペンネーム「秋の水菜」(本名・柳沢香里)さんが営む定食店「よりみち散歩」(同市大手5)にウタのコスプレで現れ、メイド服を着て接客し、お客を喜ばせることも。
「コスプレをすると、推しになれる気がする」と冬のイルカさん。次に目指すのは「地獄先生ぬ~べ~」の「ゆきめ」だ。雪女だけに「12月にはデビューしたい」と意気込む。「よりみち散歩」に登場する日など、自身の情報をインスタグラムで発信している。