
安曇野ちひろ美術館(松川村)は30日まで、展覧会「いわさきちひろと師・中谷(なかたに)泰(たい)」を開いている。ちひろ(1918~74年)と、洋画家・中谷(1909~93年)の師弟関係は、わずか1、2年だったが、生涯続いた2人の交流を110点余の作品と資料で紹介している。
後に絵本画家となるちひろは、14歳から洋画家・岡田三郎助にデッサンや油絵を学んだ。3人姉妹の長女に生まれ、画家を目指すのを諦め、結婚して旧満州(中国東北部)大連へ渡るが夫の死により22歳で帰国した後、中谷に師事。絵への情熱を断ち切れず、戦後、ちひろは画家への道を歩みだし、中谷はそれを見守った。
会場には、ちひろがモデルという中谷の「婦人像」や、戦火を免れ、中谷のアトリエに残された戦時中の貴重なちひろの油彩「なでしことあざみ」などを展示。息子とめいがモデルのちひろ最後の油彩作品「子ども」、2人が同時期に描いた福島県の常磐炭坑の絵も並び、対比も楽しめる。
また「没後50年初山滋展見果てぬ夢」を同時開催。大正から昭和にかけて児童文芸誌や絵雑誌、絵本や教科書の表紙などで活躍し、日本を代表する童画家の初山(1897~1973年)の画業を180点の作品、資料でたどる。
午前10時~午後5時、水曜休館。900円(18歳・高校生以下は無料)、26日は県民は無料。TEL0261・62・0772