初の「高瀬川火まつり」100人余訪れる

池田町池田の高瀬川河川敷で10月29日、「高瀬川火まつり」が開かれた。地域の自然を尊び、いにしえの暮らしや信仰をしのぼうと、環境保全に取り組む「高瀬川を愛する会」有志でつくる実行委員会が初めて開催。100人余が訪れ、護摩木をたいて祈りをささげる大護摩に臨むなどした。

地域の歴史知る機会交流の場に

大護摩は、覚音寺(大町市八坂)の與儀龍祥住職らによって営まれた。山伏姿で現れた住職らは支障木として伐採された河原のハリエンジュ(ニセアカシア)で組んだ護摩壇に点火し、読経。集まった人たちは、ヌルデを短く切った護摩木を火に投げ入れ、手を合わせた。松川村の60代の男性は「有明山を望むロケーションでこういった行事はいい。父の冥福を祈った」。
また和太鼓演奏や焼き芋の振る舞いなどもあった。
実行委によると、同地域の人たちは昔から有明山を霊峰として遥拝し、山麓から薪を得ていた。高瀬川河畔は遥拝所となっており、川を渡ってぬれた衣服を乾かすためのたき火とも護摩ともつかぬ営みが行われていたと考えられるという。
実行委員長の田中ちひろさん(48、安曇野市)は「地域の河原や歴史を知ってもらい、途絶えてしまったものをつなげていきたい。地域の人が交流できる場として毎年続けていけたら」と話した。