松川村の「ニュー・スリー・シャープス オーケストラ」結成から半世紀 11月26日に記念コンサート

松川村の田んぼの中にある金属加工・製造会社「小口精工」の2階から、ジャズやラテン、映画音楽などが聞こえる。社会人ビッグバンド「ニュー・スリー・シャープス オーケストラ」(20人)の練習日だ。26日には、コロナ禍で2年遅れた「50周年記念コンサート」を安曇野市の豊科公民館ホールで開く。結成時からのエピソードを寸劇で披露する演出もある。
結成は1971(昭和46)年。現在、創設時のメンバーはいないが、2年目に加入した井口忠彦さん(70、池田町)がバンドマスター、3年目からの五十嵐國明さん(72、松川村)が事務局として健在。同村や池田町、安曇野市などで年間を通し活動している。
バンド名は、音楽用語で半音上がることを意味する♯(シャープ)に由来する。「上がって、上がって、上がって―」と、活動上昇の願いがこもる。
小口精工は約30年前から、2階の広い部屋を練習会場として提供。社長も社員らも、バンドの良き理解者だ。
当日は「鈴懸(すずかけ)の径(みち)」「東京ブギウギ」など昭和のヒット曲を含め、約20曲を演奏する。コンサートマスターの吉田順さん(55、松本市)は「『鈴懸』はクラリネット2本をメインに披露する。楽しみにして」と笑顔を向ける。
演出は飯嶋宏さん(62、大町市)が腕を振るう。「来場者に、耳だけでなく目でも楽しんでほしい」と、演奏中の動きに気を配り、メンバーから「振付師」と呼ばれる。
テナーサックスの大森康年さん(68、安曇野市)は、移住してきた今年、一足先にメンバー入りしていた長男の教雄さん(42、同)や仲間に誘われ入会した。「大学時代から続けてきたバンド活動を、同じくらいの歴史を持つ人たちとでき、うれしい」。メンバーそれぞれの思いがこもったステージになりそうだ。
午後2時開演。前売り千円、当日1200円。五十嵐さん(安曇電化センター)TEL0261・62・2142