短歌館で地元出身の歌人・若山喜志子企画展 親友への手紙初公開

塩尻市の塩尻短歌館(広丘原新田)は企画展「荒波を乗り越えてゆく若山喜志子~中原静子への書簡に刻まれた喜志子の情念」を開いている。地元出身の歌人・若山喜志子(1888~1968年)が、親友に宛てて書いた手紙を初公開している。12月28日まで。
喜志子は旧吉田村(現広丘吉田)に生まれ、21歳で広丘尋常高等小学校(現広丘小学校)の裁縫教師に。旧武石村(現上田市)出身で文芸好きの同僚・中原静子と親しくなり、当時校長だった歌人・島木赤彦の影響も受けた。
公開したのは、同館が所蔵する静子宛ての書簡53通のうち18通。全国誌に詩を投稿し、高い評価を受けた喜志子は、23歳の時に家出同然で上京。歌人・若山牧水の求婚を受ける決意をした時には「…思いきって破壊的手段をとります。静子様、私をおとがめくださいますな」とつづった。
手紙から、後に二人が金銭問題で疎遠になった経緯も明らかに。同館指導員の藤森円さんは「苦難を抱えながら自身の歌道を貫いて生きた喜志子だが、(手紙から)若い時代の揺れ動く心情が痛いほど分かる」と話す。
喜志子の姉のひ孫に当たる書家・細野静耀(せいよう)さん(安曇野市)の作品2点と、松本市の村井町公民館から借りた関連の写真も展示した。午前9時~午後4時半。入館料300円(中学生以下無料)。月曜と祝日の翌日休館。同館℡0263・53・7171