塩尻でシニア世代にeスポーツ講座

新鮮な体験時を忘れ夢中

最新機器でゲームを楽しみながら健康増進─。塩尻市長寿課と同市振興公社が、市内の65歳以上を対象に「シニアeスポーツ教室」を開いている。
同市のウイングロードビル(大門一番町)2階に「地域DXセンター・core(コア)塩尻」が本年度オープン。高度なゲーム機材をそろえる「デルタルーム」などの設備を、シニア世代向けに活用した初の試みだ。
パソコンやゲーム機器でeスポーツを体験し、認知機能を維持・向上させ、介護予防や市民の健康寿命を延ばす狙い。11月下旬の回には市内の70~80代の24人が参加。和気あいあいと楽しみながら挑戦した。

認知領域など変化も検査

塩尻市振興公社と連携協定を結んだeスポーツイベント運営の「Re・road(リロード)」(松本市)代表、金井佑輔さん(36)が、「シニアeスポーツ教室」の講師を務める。
10月から12月まで週1回、全12回の連続講座。初回と最終回に「ファイブ・コグ検査」を行う。継続して講座に参加することで記憶、注意、言語、視空間認知、思考の五つの認知領域と手先の運動機能を測定し、どんな変化があるのか「見える化」する。
体験できるゲームは、パソコンを使ったパズル、漢字の読み仮名をキーボードで打ちながら進むゲームや、シューティング、ハンドルを握って操作する運転シミュレーション、ばちを持って太鼓をたたくゲームなど。金井さんが、マウスの操作方法やブラウザーでの検索機能の使い方など、パソコンの基本操作から丁寧に説明した。
パズルのゲームは、自分の好きな絵をパソコンで検索し、パズルを作るところから始める。頭を使うだけでなく、マウスを動かすときの細かい指や腕の運動もできる。漢字を打ち込むゲームでは、数人で1組になり、互いに読み仮名を教え合うなど協力して攻略するため、盛り上がった。
ばちで太鼓をたたくゲームでは、目の運動や反射神経を使って軽い全身運動にもなっていた。多彩な種類のゲームに少しずつ挑戦することで、脳トレ効果だけでなく身体機能の向上も期待できる。参加者が個別にゲームをするだけでなく、コミュニケーションを取りながら進める場面も多く、生きがいづくりの場も兼ねている。
参加者の山田富見子さん(81、塩尻市高出)は「家でもキーボードを引っ張り出してタイピングの練習をしてみました」と新鮮な体験に取り組む。長島敦子さん(80、同大門)は、自身の子どもや孫には「『そんなにゲームばかりやって!』と怒りもしたけれど、時間を忘れて夢中になってしまうのも分かりました」とはにかんだ。
普段は若者を対象に、eスポーツで活躍できる場づくりに取り組む金井さんにとっても、高齢者向け連続講座は初めて。「皆さん前向きに取り組んでいる。ゲームを楽しむことで、高齢者が苦手意識を持つパソコンやIT機器への恐怖心も薄れ、デジタル化社会の中でさまざまなことに挑戦できるようになる」と話す。
今月23日には、core塩尻でeスポーツのイベントを行う。講座参加者によるゲームの腕前披露や、若い世代との交流なども計画している。午前9時半から午後0時半まで。一般の人もeスポーツの体験ができる。

eスポーツとは
「エレクトロニック・スポーツ」の略。電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉でコンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。高度な頭脳戦略や反射神経などの身体的な技術も試される総合スポーツとして、近年若者を中心に各地で大会が開かれている。高校にeスポーツ部ができたり、専門学校ができたりするなど人気。