ブドウの特徴を生かして
山形村の「大池(たいけ)ワイナリー」は、村内唯一のワイナリー。原料のブドウは全て自社農園で栽培。代表で醸造・栽培責任者の小林和俊さん(40)は「その味わいから、醸している場所が想像できるようなワインを造りたい」と力を込める。
自社栽培したブドウを100%使ったワイン5種類、村内の農家が栽培した3品種のリンゴを使ったシードル6種類を醸造する。ブドウの品種によって収穫時期や熟成期間を変えるなど、「ブドウの特徴を生かしたワイン造り」がモットーだ。
2015年創業。月1回は県外のマルシェなどに参加し、商品の知名度アップを図る。造った本人が説明しながら、直接販売するのは、小さなワイナリーならではの魅力でもある。
山形村出身。塩尻志学館高校の食品加工科でワイン造りや発酵などについて学び、生で食べるイメージが強かったブドウに手を加えると飲み物になることに「面白さを感じた」。
卒業後、山辺ワイナリー(松本市入山辺)に就職。栽培、醸造、販売など、ワイナリー業務を13年間担い、経験を積んだ。「手をかけた分だけ、いいブドウができる」と栽培の面白さと奥深さを実感。2020年、地元の山形村に「恩返しがしたい」と大池ワインに移籍。醸造・栽培を担当して4年目の今年、社長に就任した。
現在は1種類のブドウだけで造る「単一ワイン」を醸造するが、今後は「ブレンドワイン」など、「さまざまな造り方にも挑戦したい」と意気込む。
「ワインをきっかけに村に足を運んでもらえたら。生産場所を知ればきっと、うま味も増すはず」と期待している。
【沿革】
たいけわいなりー 2015年創業。同時にワイン用のブドウ栽培も開始。現在、村内の6カ所に合計1.5ヘクタールの自社農園を持つ。ショップの営業は土、日曜の午前10時~午後4時
【小林さんおすすめこの1本】
ヤマ・ソーヴィニヨン樽熟成(750ミリリットル3520円)
【相性のいい料理】
ジビエ料理、とんかつなど
【連絡先】
大池ワイナリーTEL0263・55・6100