お子さんが学校に行き渋り、保護者が学校でずっと一緒にいないといられない、いわゆる「付き添い登校」という状況になることが時々あります。
学校にまで親がついてくるなんて、「あのうちのお母さんは甘やかし過ぎだ」などと言われることもあるのですが、完全な捉え違い、大間違いです。
付き添い登校をせざるを得ない状況というのは、お子さんにとって絶対的安心基地のお母さん、お父さんがそばについていないと学校にはいられないくらい、お子さんにとって学校が危険で不安と感じる空間だということです。親御さんは、わが子が学校に行けるのであればと、時間をやりくりして、肩身の狭い思いをしながら、何とか学校で見守りを続けているのです。どうか、ご理解いただけるようにお願いします。
新年度の環境変化や、何かお子さんにとって大きなストレスがあった直後などに、一時的に環境になれるまでの期間、保護者が付き添うことでお子さんが学校になじんでいき、徐々にフェードアウトできるのであれば、保護者は大変ですが可能な範囲で付き添いもありだと思います。しかし、付き添い登校が長期化すると、保護者も心身ともに疲弊してきます。また、お子さんにとっても保護者が居なければいられないぐらい不安を感じる学校で、いったいどれだけポジティブな学びができるのかは疑問です。
付き添い登校をしなければいられない状況は、不登校と同じだけの、お子さんが現状の学校に不適応を感じている状態ですから、安全基地のお母さん、お父さんが居なくても大丈夫になるような対応が必要と考えて、学校側とよく話し合っていきましょう。
さまざまな工夫をしても、学校の空間がお子さんにとって安全な場所になりえないのであれば、教育支援センター(中間教室)やフリースクールなど学校外の学びの場を探していくのも一つの方法かもしれません。
【なないろキッズ】 #92 付き添い登校の是非
- 2024/01/25
- 小児科医・新美妙美のなないろキッズ