塩尻「短歌の里百人一首大会」 かるたで子どもたち熱戦

塩尻市広丘原新田で2月、「第29回短歌の里百人一首大会」(市、市教委主催)が開かれました。コロナ禍による中断を経て昨年から規模をコンパクトにし、「競技かるた」は原新田公民館、初心者対象の「ちらし取り」は塩尻短歌館で実施。県内各地から参加した約40人が熱戦を繰り広げました。

ちらし取りで真剣勝負

明治期から昭和期にかけて太田水穂や若山喜志子といった歌人を輩出し、各地から歌人が訪れて創作活動を展開した同市は、子どもたちが短歌に親しむ機会に―と大会を毎年開いています。
ちらし取り(100枚の札を取り合い数を競う)の部には9人が参加。塩尻短歌館主催の「百人一首入門講座」で教える中山巖さんが、「まず覚えるのは自分の目の前にある札、次に自分の得意な札がどこにあるか」「残りの札が少なくなっても、寄せたり動かしたりしない」「勝負が決まってイエーイ!の前に、対戦相手と読み手にしっかりお辞儀をしましょう」といったこつやマナーを伝えながら進めました。
最初は読まれた札が見つからず、目線がさまよっていた子どもたちも、残りの札が少なくなるにつれて動きがダイナミックに。小さくガッツポーズしたり、天を仰いで残念がったりする姿もありました。
家族で正月などにかるたに親しんできたという小学6年の上原奈々さん(12)、4年の明奈さん(9)姉妹は、「雰囲気に緊張した。学校だともっと取れるのに」と圧倒された表情。「ちらし取りでこんなに速いと、競技かるたはどんなにすごいんだろう」と感心していました。

緊張感漂う競技かるた

競技かるたの部は、小学生から大人まで33人が、性別年齢を問わず初級、中級、上級に分かれ、張り替えたばかりの畳が爽やかに香る大広間で対戦しました。
1対1で向き合い、100枚の札から25枚ずつ自陣に3段に並べる。15分間で配置を暗記した後、競技開始。敵陣の札を取った場合は自陣の札を1枚敵陣に送り、自陣の札が早くなくなった方が勝ちというルールです。
開始前には会場のストーブのスイッチが切られ、しんと張り詰めた空気に。額がぶつかるほどの距離で構え、読まれる一音を捕まえようと集中。跳ね飛ばされた札が数メートル先まで飛ぶほどの熱い戦いは、1回戦で1時間弱ほど。全員が3回戦行い、クラスごと決勝を行いました。
東京都市大塩尻高校の百人一首同好会1年の山﨑佑奈さん、宮下馨(けい)さんは、これが初の対外試合で、共に1勝2敗でした。普段は3人で練習しているといい、「緊張して、相手が全員自分より格上に見えた」「勝った経験を一つ一つ積み重ねていきたい」と話しました。
駒ケ根、佐久、茅野などからも多くのサークルが参加し、控室で仲間をたたえたり慰めたりしていました。