松本山雅FCのプロ1年目、DF樋口大輝(だいき)(22)は今季ここまで、途中からを含めて公式戦全7試合に出場した。塩尻市生まれで山雅の育成組織「ユースアカデミー」出身。地元育ちの期待と責任を力に変えている。
背番号「40(しお)」背負い
桔梗小、広陵中の頃にアンテロープ塩尻の育成チームで頭角を現し、松商学園高に通って山雅U-18でプレー。専修大在学中の昨季、特別指定選手として山雅の一員になった。背番号の40は「しお」の語呂合わせ。クラブが塩尻出身者のために空けていた番号といい、「ありがとうございますと受け取った」。プロ契約した今季も背負う。
山雅は例年、シーズン当初に塩尻市長に背番号40のユニホームを贈っており、今月5日に樋口が市役所を訪れて手渡した。百瀬敬市長は「同じ40を着て“ワンソウル”で戦う」と激励。樋口は「自分が頑張ると、塩尻の名前が上がる」と意気込んだ。
山雅育ちの経歴にもこだわりがある。1月の新加入選手会見で語ったのは「大学を経由しても、戻ってきて活躍できると証明したい」という決意。トップチームに昇格できなかったが“新卒”で戻る第1号になった。
「若くないので、1年目から試合に絡みたい」という言葉通り、リーグ開幕戦で先発して先取点を挙げた。ポジションは左サイドバックだが右でも起用され、「左右をこなす器用さがある。ヘディングも強い」と下條佳明スポーツダイレクター(SD)。
一方で「プレーのクオリティーが課題」と下條SD。樋口も「ボールタッチやトラップした後のボールの置きどころで(その後プレーに)大きな違いが出る」と自覚する。「シーズンを通して活躍したい」という目標に向け、成長を続ける。