【なないろキッズ】 #96 「叱らない子育て」を

発達障がいのお子さんは、小さいころから「叱られる」場面が多くなりがちです。叱るられても行動はなかなか改まらず、繰り返し?られてしまいます。
また、叱られることにむしろ過敏なタイプのお子さんの場合には、ささいな注意にショックを受け、「叱られないように」ということだけを行動の基準にしてしまい、過度に委縮して本来の姿が発揮できなくなることもあります。発達障がいのお子さんの子育てにおいて(というか、どのお子さんの場合もそうだと思いますが)、「叱る」という行為は、一つも子どものためになりません。
このようにお話しすると、「叱らない子育てをすると子どもがわがままになるのではないか?」「好き放題やらせていたらろくな大人にならない」と言ったご意見が返ってきますがご心配なく。「叱らない」ということは、「不適切な行動もそのまま受け入れて甘やかす」というわけでも、「見ないふりをして放っておく」というわけでもありません。
「叱る」というのは、大人と子どもの上下関係を用いて威圧的に接し、子どもを恐怖・不安・嫌悪のネガティブな感情を惹起(じゃっき)させてコントロールしようとすることです。?らない子育てというのは、子どもを一人の人格として尊重し、▽不適切な行動については、その時点で子どもが理解できるレベルでそのことを説明する▽適切な行動が取れるような対策を提案する▽まだその子が理解できないこと、制御できないことであれば、その不適切な行動が起きないように環境の方を整える|といったことを組み合わせていきます。
つまり、めちゃくちゃめんどくさいんです。厳しい口調で一方的に叱って、しつけをした気になっている方がずっと楽です。めんどくさいけれど、「叱る」やり方で、子どもの行動がよくなっていかない、叱られる弊害で過度に反抗的になったり、逆に委縮し過ぎたりするのだったら、別のやり方でアプローチするしかないというわけです。
発達障がいの叱らない子育てについて、次回もう少し書きます。