Q 視力検査でものすごく視力が落ちていました。オンライン授業やデジタルの宿題、動画やゲームでずっと画面を見ているからでしょうか。心配です。(小学4年男子の母)
デジタル時代 意識して“○○○”を
A 子どもの視力低下は世界的な問題で、さまざまな研究がされています。アメリカでは1日2時間以上○○○をする子は、両親が近視でも近視の発症率が3分の1以下。台湾では学校で「週に150分は○○○をさせる」法律。シンガポールの学校でも○○○をカリキュラムに入れている。さて○○○は何でしょう?
コロナ禍の巣ごもり後、眼鏡をかける子が増えました。聞くと、家でずっと横になったりしながらゲームや動画視聴をしていたとか。県教委の調査(2022年度)で視力1・0未満の子が過去最大を更新。小学校で約35%(3人に1人)、中学で約62%(3人に2人)、高校では約71%(4人に3人)。国全体でも裸眼視力0・3未満が小学生は1割、中学生は3割、高校生は4割以上。デジタル端末利用が視力低下の一因とし、県は「室内を明るく、正しい姿勢で、距離を保って」と呼びかけていますが、お子さんは守れていますか?
今すぐできることをいくつかお伝えしますと、「大画面に映す(リビングなら内容について家族と会話できる)」「タイマーをかけ、日本眼科医会で推奨している30-30-20ルール(30センチ以上離し30分見たら20秒遠くを見る)を実践する」など…。でも、一番のお勧めは冒頭○○の答え…「外遊び(屋外活動)」です!
慶応大が太陽光に含まれる「バイオレットライト」の視力低下抑制効果を発表しました。確かに野球狂で外にいる時間が長いわが夫は、近視に悩んだことがない。「小学生の時、休み時間に目の運動をやらされていた」とも。学校の影響は大きいですね。わが子の小学校では「ランラン(休み時間に全校児童が外を走る)」というすてきな時間が英語導入時に廃止され、とても残念に感じていました。しかし最近は視力低下を受け、外遊びや定期的な運動を導入した小学校もあるようです。
脳に入る情報は「目から」が8割とも。焦点が合わない状態は脳を疲弊させるため、学習にも悪影響があります。子どもは視力低下に自分では気付けません。目を細めたり、こすったり、離れた場所の字が読めないなどありませんか?何か異変を感じたらすぐに眼科を受診してくださいね。
屋外活動(日陰でも良い)は体力、集中力、創造力、運動神経や五感を発達させ、脳の血流を良くし、精神の安定、夜しっかり眠れるなどさまざまな効果があります。そのうえ視力もとなれば、学校にお任せではなく、家庭でも積極的に屋外活動を取り入れましょう!(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)